2023年 木工
準グランプリ
たたいて みがいて つくる木の仕事
スツール、プレート
木材(ナラ、クリ、ケヤキ、トチ、シデ、スギなど)アマニ油、みつろう、藍
①〜③:約25×25×40㎝、④〜⑥:約25×40×1.5㎝、⑦・⑧:約37×57×1.5㎝
- 準グランプリの受賞は④と⑤と⑦です。
①〜③スツール:各¥24,200〜、④〜⑥プレート:各¥8,800〜、⑦・⑧オードブルプレート:各¥19,800〜
NEW TRADITIONAL
NEW TRADITIONAL
奈良県
福祉×伝統工芸の可能性に着目し、新しいものづくりのあり方や伝統工芸の可能性を模索していくプロジェクト「NEW TRADITIONAL」に取り組んでいます。障害のある人をはじめ、多様な人がものをつくる過程に参加できる関わりしろや、道具やそれを使う手つき、素材、環境などへの向き合い方を話し共有しながら、形を起こしていくことを大切にしてものづくりを実践しています。
クリエイティブディレクション:酒井義夫(ろくろ舎)
制作協力:渡邊崇(MoonRounds)、株式会社徳田銘木、小田大空(Indigo Classic)
プロデュース:藤井克英(Good Job!センター香芝)
企画・製造・販売:NEW TRADITIONALプロジェクト、Good Job!センター香芝
作品について
木工の専門的な知識や制作環境がなくとも、ものづくりに親しみやすい方法を探求した作品です。道具になる石と素材になる木を選び、打刻によって生まれる自然由来の造形をベースに、伝統製法に使われる浮造りによる研磨を組み合わせました。単純かつ根源的で不規則な手仕事によって、木面にゆらぎのある凹凸やツヤとなり現れます。木と石、有機物と無機物、素材やつくり手の特性や種別を超えて共存できるものづくりをめざしました。
講評
「福祉×伝統工芸の可能性に着目し、新しいものづくりのあり方や伝統工芸の可能性を模索していく」このプロジェクトの中で、作り手が得意とする「叩く」という行為に着目し、それが魅力となるよう素材選びや手法、造形などを考え抜いたディレクターの視点に大変感銘を受けました。石で木を叩くことで生まれた木面のゆらいだ味わいのあるテクスチャーからは、意図的になりすぎることなく無我夢中に作り上げることができる作り手の特長が活きていると感じました。また従来の工芸の在り方を「とびこえた」新たなものづくりという点でも優れた作品だと思います。
(辰野しずか)