木のクラフトのもつ暖かさや温もりを断ち切り、これ以上はないというまでに、 削ぎ落とされたシャープなフォルムの放つ緊張感が鮮烈である。 完璧なプロポーション、エッジの切り込みの角度、 ディティールの美しさに作者の鋭い感性が伺える。 化石のように硬くて加工の難しい素材−神代・タモ−を用いて、 細部に濃縮された加工技術は、微塵も手の痕跡を残さない…。 若い木工作家の潔さ、仕事の充実度が感動を誘う。 花台に限らず、多様な生活シーンへの提案性のある優れた木製家具である。
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