松野　章弘/東京都福生市

　

白の器が日常の器として蔓延化する時代にあって、改めて「白」の表現の奥深さを、静かに、知的に表現してくれた秀逸な作品である。白磁に陶土で白化粧を施し、線と色に要素を絞り込み、白に白の意匠を凝らしたことが、新鮮で爽やかな印象を与えてくれる。少しずつお洒落に食を楽しみたいという今の気分を、日本人特有の緻密な手技で、形状を一つひとつ丁寧に追い求めたことも、このシリーズの魅力であり、美しさの由縁であろう。

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