2021年 その他
審査員賞(寺山紀彦賞)
余光
鹿角
20×65×20㎝
¥250,000
北村 隆浩
キタムラ タカヒロ
神奈川県横浜市
- 2015年
- 現代茶湯アワード 入選
- 2015年
- 世界工芸コンペティション・金沢2015 入選
- 2017年
- 第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ 入選
- 2019年
- 第58回 日本クラフト展 入選
- 2021年
- 第2回 ティーエレメント公募展 大賞
作品について
鹿の角を削り花器を製作いたしました。生命の形とは存在する形と消滅する形の間に漂っています。消え逝く形の欠片に命の儚さと強さを感じるのは私自身もその間で生きる者としての命が共鳴しているのではないかと感じます。「余光」の花器から繋がる物や人や景色や未来に送る眼差しが慈しみを纏う、それこそが生活の中で自分自身の命を体感するものになればと思っております。使用は枯挿しとして掛け花入れやモビールなどを想定しております。
講評
物作りで重要な要素の一つ完成形の魅力があります。どんなに素晴らしいコンセプトでも最終形が腑に落ちないと人の興味を引くことはできません。今回選ばせて頂いた“余光”は、鹿角の輪郭を曲線のみ残し内部を削り出しています。角本来持つ自然の力強さに弱さ(人工的な作業)を追加することで、作家のコンセプト文にある“消え逝く形の欠片に命の尊さと強さを感じる”を表現出来ていて力強い作品でした。この手法は色々な物に対応可能なので、強い物の中にある尊さの表現を別の素材でもみれると嬉しいです。
(寺山紀彦)