2021年 漆

審査員賞(Peter Ivy賞)

若森松 漆俎板 ―訳あって俎板に漆塗りました―

木(ヒノキ)、漆

①生漆:16.3×26×2.5㎝、②赤一黒二:14.3×28.8×2.6㎝、③オリーブ:14.8×27.3×2.6㎝、④蓮根:13.5×29.8×2.5㎝、⑤枝垂桜:11.2×28.7×2.6㎝

①生漆:¥10,000、②赤一黒二:¥10,000、③オリーブ:¥10,000、④蓮根:¥9,000、⑤枝垂桜:¥8,000

5点セット:¥45,000

無地工房

ムジコウボウ

香川県さぬき市

1994年
香川県漆芸研究所研究生修了
2005年
第22回日本伝統漆芸展「乾漆階段箱」 朝日新聞社賞
2010年
磯井正美賞展「Hana・no・Ne」 磯井正美賞
2012年
香川県文化芸術新人賞
2013年
漆作家集団「ウルシックス」活動開始

作品について

漆の持つ◯防水性◯防カビ性◯抗菌性を活かし、設置面となる底面、そして意外と見落とされがちな側面も、漆で仕上げました。漆を塗ることで、単に調理器具としてだけでなく、より「大切にしたい一枚」として愛用していただけるよう、想いを込めました。一方で、もっと気楽に、漆に親しんでもらいたいとの想いもあります。その両方を兼ね備えた、365日・日々の暮らしになじみ、特別な日にはちょっとおめかしした雰囲気も出せる、俎板プレートを制作しました。

補足:若森松の説明 漆俎板の可能性を発見してくれたラーメン屋大将の屋号と漆俎板の制作者である私の名字を混ぜ合わせたモノです。

講評

As makers how to apply the skills we have? We can make technically impressive works, objects that are visually pleasing. But what better way to start making than solve our own daily problems? Let the looks and technique follow accordingly. My own work started this way as well. As makers I suggest that we approach work as an opportunity to DYL- Design Your Life! Look at ones own life for opportunities- because we are not alone with those problems.

訳)作家として、自身のスキルをどう作品に反映させるか? 技術的に印象的で、感じの良い見映えに仕上げる事は可能です。しかし、モノづくりに取り組む出発点において、日々の生活における問題解決よりも秀逸な方法はあるでしょうか。形態やテクニックは、作品のコンセプトに応じて後から決まります。私自身の作品も同じような考え方で作り始めます。作り手として、自分の作品とは「DYL(Design Your Life)自分の生活をデザインする」良い機会だと思っています。自分の生活の問題の中にいろいろな機会が存在している事に目を向けてみましょう。それらの問題は、自分だけが抱えているわけではないのですから。

(Peter Ivy)