松楓殿とは
松楓殿再現展示に寄せて
松楓殿再現展示に寄せて
高峰譲吉は日本が世界に誇る偉大な人物です。タカヂアスターゼやアドレナリンといった100年後の今日でも一般的に使われる薬の発明をしました。また、日本のインフラ整備にも貢献し、「特許庁」、「醸造研究所」、「理化学研究所」などの設立に深く関っています。企業家としても複数会社を起ち上げ、いずれもが上場企業として今も進化し続けています。
さて、そんな高峰譲吉の「松楓殿」を初めて目の当たりにしたのは、もう25年以上も前になります。マンハッタンから車で二時間ほどのサリバン郡メリーウォルド・パーク。釘を一本も使わず、寝殿造りのような、平安神宮を思い出させるような建物で、そこかしこには菊の御紋章が見えました。ひと目見て、貴重な建造物であることを理解しましたが、土台、床等は腐ってボロボロの状態で、同時に修復が急務だと悟りました。
あの日から随分と経ちましたが、関係各位のご尽力のもと、ついに「松楓殿」は高峰譲吉の生まれ故郷・高岡へ戻ってくることができました。万感の思いです。
高峰譲吉が日本とアメリカをはじめ、世界中の人々の健康と幸福に寄与した功績は計り知れません。彼の功績が公正に評価され、みなさんに高峰譲吉のことを富山の誇りとして、日本の誇りとして知って頂く機会になるとともに、将来の世代が彼の足跡を学び、立派な企業家として羽ばたくことを願っています。
滝 富夫 (松楓殿寄付者)NPO法人 高峰譲吉博士研究会 副理事長