![]() ▲高岡市と新湊市を結ぶ 万葉線に新しく導入された 低床車両 |
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▼図2![]() |
▼図3 日本の路面電車![]() |
■15分間隔(日中)の場合(編集部作成案) (平日・富山駅発車時刻)
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■現在のJR富山港線時刻表 (平日・富山駅発車時刻)
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表2 ■収支試算の内訳(単位:百万円)
〈収支試算の前提条件〉 (1)乗客数 開業時/約4,200(人/日)と仮定 市内線直通運転時/約5,000(人/日)と仮定 (2)運行間隔 富山駅〜岩瀬浜駅 15分間隔と仮定(早朝、及び20時以降30分間隔) (3)年間走行距離 約350,000(km/年)と仮定 (4)職員数 28人と仮定 (5)1人当り人件費 6百万円(1年当り)と仮定 (6)経費単価 動力費40、修繕費40、その他経費50(円/km)と仮定 |
▼路面電車の評価が高まる ――なぜ路面電車なのでしょうか。 ◆望月◆路面電車といえば「ちんちん電車」=昔の乗り物、というイメージがあります。全国にかつては多くの都市で走っていたものですが、クルマ社会の進展により、現在では18の都市で19の路面電車しか残っていません。 しかし、二酸化炭素の排出抑制やエネルギー問題への対応から、路面電車の評価が見直されてきています。お年寄りやベビーカーなどが乗り降りしやすい低床式で、性能やデザインもよい新型車両(LRV)の導入も進んできています。 ――ヨーロッパやアメリカでは、路面電車の復活をさせた都市が増えてきているとか。 欧米では路面電車(LRV)の採用に積極的です。ドイツのカールスル―エ(人口約28万人)、フライブルク(同20万人)フランスのグルノーブル(同16万人)、ストラスブール(同25万人)、イギリスのマンチェスター(同40万人)、ベルギーのアントワープ(同50万人)などのヨーロッパの中堅都市のほか、自動車交通が発達しているアメリカの都市でもここ10数年で路面電車(LRV)の建設ラッシュになっています。従って、富山市の路面電車も貴重な価値資源の一つであると思います。 ▼将来は中心市街地へ直通 ――富山駅の南北が連結し、現在の市内電車と接続すれば、利用者はもっと増えるでしょうね。 ◆望月◆富山港線と既存の市内電車が連結すると、北部地区から中心地区へは直通になるのですから、バスやマイカーから路面電車への転換など新たな需要増加も期待でき、北部地域のみならず中心市街地、ひいては富山市の活性化にもつながっていくと思います。 ――折角作った路面電車に住民の方々が乗っていただかないといけないですね。 ◆望月◆路面電車化の効果をより大きく発揮するとともに、より確実で継続的な事業性を確保していくためには、運営会社がサービスレベルを向上させ、需要のさらなる拡大に取り組むことが重要ですが、あわせて沿線住民の方々をはじめとした幅広い人々の、富山港線を利用しようという意識の高まりが必要です。 ▼愛称やデザインを募集 ――具体的には、どのようなことが考えられますか。 ◆望月◆基本的には運営会社が決めることですが、例えば、、市民の方々に親しみを持ってもらうために、新・富山港線(路面電車)の愛称や景観にマッチした車両デザインを募集したらどうでしょう。そのほか、沿線に立地する企業には、マイカー通勤から新・富山港線(路面電車)を利用した通勤への転換、商業施設や商店街等には、無料券(あるいは割引券)の発行などの各種取り組みを幅広く展開していくことが期待されます。 そのほか、沿線のバス路線と新・富山港線の連携強化によるバス&ライドや駐輪場整備によるサイクル&ライドの促進などもぜひ検討したいテーマです。 ――開業までは2年余りですね。 望月◆そうです。大変短い期間ですが関係者のご理解を得て実現を図ってまいります。 ――有難うございました。 |