「商工とやま」H16年5月号
特別寄稿 「まちづくり」「ひとづくり」「活力づくり」を目指して
平成16年度/富山市商工労働部関係施策
平成16年度は、本格化する中心市街地の再開発や、小学校の統合がスタートするとともに、富山駅周辺地区南北一体的まちづくり事業についても、連続立体交差事業の新規着工準備個所として政府予算案に盛り込まれたほか、JR富山港線の路面電車化事業が本格始動するなど、大変重要な年であると考えております。
このような中で、今年一年を「進化する年」と位置づけ、創業支援や雇用創出など地域経済の活性化や中心市街地の活性化など、当面する諸課題に積極的に取り組むとともに、富山地域七市町村の合併を一層推進してまいります。
|
◆「おでかけバス」の通年実施など、中心市街地の賑わいの創出
|
空洞化が懸念される中心市街地の活性化につきましては、(株)まちづくりとやまが実施する空き店舗を活用した「街なかサロン」を支援し、来街者の交流や子育て親子の交流の場を提供することにより、中心市街地の賑わいを創出します。
また、同社による商店街の活性化を図ることを目的とするインキュベータ・ショップ運営事業や中心市街地活性化コミュニティバス運行事業を支援するとともに、「まちづくり公房」での市民参加によるまちづくり推進事業を支援し、市民、商業者、行政が一体となったまちづくりに取り組みます。
さらに、昨年試験的に実施した高齢者を対象とする「おでかけバス」事業については、利用時間帯を拡大し、通年で実施いたします。
また、昨年のタウンモビリティ導入調査を受け、高齢者移動支援システムの導入に向けた試行実験を実施いたします。
商店街の振興につきましては、「富山市商業振興ビジョン」に基づき、商店街が取り組む各種事業に対し、引き続き支援するとともに、新たに中心市街地における駐車場のあり方や駐車料金システムを構築するための調査・検討事業を支援いたします。
また、富山駅周辺や中心商店街などにおいて、来街された人々誰もが安心して、楽しく快適に買い物ができるように、まちの案内、挨拶、介助、清掃・整理などのさわやかな活動を引き続き実施してまいります。
中小企業者の事業経営の安定と資金調達の円滑化を図るため、緊急経営基盤安定資金については、融資枠の拡大や融資要件の拡大を行い、中小企業者の資金需要に応えてまいります。
また、複雑、多様化する経営相談に対応するため、富山商工会議所が行う専門家による経営相談体制の確立(経営支援プロジェクト)について支援してまいります。
デザインの振興については、富山市デザイン協議会の活動を支援するとともに、「富山デザインフェア」を開催し、本市の商業デザイン産業の育成を図ってまいります。また、市民に街角でポスターに親しんでもらうため、ポスター塔を設置してまいります。
工芸の振興については、市民や観光客のガラス制作体験や作家の創作活動を支援する富山ガラス工房の拡充施設が、本年10月に供用開始する予定であります。
また、本市の貴重な伝統工芸である木象嵌の技術伝授を引き続き支援してまいります。
◆リース方式の導入など、企業誘致の強力な推進と新産業の育成
|
企業を取り巻く経済環境が依然として厳しい状況にあることから、産業の活性化と雇用機会の拡大を図るためにも、企業誘致は大変重要であります。
このため、企業立地における用地のリース方式や割賦方式などを導入するとともに、用地賃借料に対する助成制度の創設や、大規模投資に対する助成の拡充など、立地企業の初期投資の軽減を図り、金屋企業団地などへの企業誘致の推進に努めてまいります。
また、医薬・バイオ・ITなど成長産業分野の研究開発型ベンチャーの育成により、産業・経済の発展と活性化を目指す「ハイテク都市基本構想」の具体化を図るため、企業や研究者への意向調査を行うとともに、関係機関との協議を進めてまいります。
◆都内での全面広告バスの走行など、薬業の一層の振興
|
薬業の振興については、県内外で「とやまくすりフェア」を開催し、配置薬の販路拡大を図るとともに、県内医薬品製造業者の交流を支援してまいります。
また、300年の伝統をもつ「富山のくすり」をPRするため、東京都でのラッピングバス(全面車体広告バス)の走行に支援してまいります。
◆通年・滞在型観光の振興や、観光客の受け入れ体制の充実
|
観光の振興については、通年・滞在型の観光を目指すとともに、「人・もの・情報」の広域的で活発な交流が行われる賑わいのあるまちづくりを推進していくことが必要であります。
このため、富山商工会議所が中心となって、新たな観光資源を発掘しようとする産業観光ルートの調査や佐々成政記念館(仮称)の建設構想があることから、その取り組みについても支援いたします。
また、観光客誘致機能を強化するために、新たに誘致推進員を富山市観光協会に配置し、観光客の誘致に努めます。
観光行事については、「全日本チンドンコンクール」、「富山まつり」などの内容の充実に努めるほか、「とやまスノーピアード」への支援など、四季に応じた魅力あるイベントとして県内外に情報を発信してまいります。
また、おもてなしの心醸成研修事業の拡大など、観光客の受け入れ体制の充実に努めるとともに、松川、いたち川の新たな観光資源の発掘や活用を図るなど、街なか観光の推進に努めてまいります。
さらに、コンベンション開催補助金の内容を充実させるとともに、新たにシャトルバス補助金を創設し、コンベンションの誘致に努めます。
創業者支援につきましては、「とやまインキュベータ・オフィス」や「ハイテク・ミニ企業団地」など、創業者支援施設の入居企業を支援するとともに、ベンチャー企業の新商品出展にも助成してまいります。
さらに、大きな雇用効果が期待できる情報通信関連企業にオフィス賃借料などの助成を行うとともに、新たな関連企業の誘致に努め、一層の雇用の拡大に努めます。
依然として厳しい雇用情勢が続いていることから、多くの方に利用されている高年齢者職業相談室の充実を図るとともに、昨年に引き続き「雇用開発推進員」による企業訪問を行い、新規求人の掘り起こしに努めます。
また、雇用のミスマッチの解消を図るため、富山地域職業訓練センターの施設を活用したパソコン実用講座を通じて、求職者等の能力開発を支援してまいります。
さらに、障害者の雇用促進を図るため就業を支援するとともに、障害者雇用の優良な事業所を表彰し、雇用環境の改善に努めてまいります。
勤労者福祉の向上対策については、勤労者の生活の安定を図るため、勤労者小口資金融資制度を継続するとともに、富山市勤労者福祉サービスセンターの運営を支援してまいります。
|