「商工とやま」平成20年4月号

特集
eco検定で、環境について考えよう。

 今年7月に洞爺湖サミット開催を控え、地球温暖化や環境に関する問題への関心はますます高まり、私たちは他人事ではなく、個人・企業として何ができるのかを考え、そして自ら行動することが求められています。
 そこで、率先して環境問題に取り組む人づくりを目的に、当所は平成20年度より「環境社会検定試験」を実施することにしました。
 今回は、この「環境社会検定試験」についてご紹介します。

■eco検定の目的

 「環境社会検定試験(以下、eco検定)」は、企業や地域社会、家庭のあらゆる場面で環境保全に取り組む人=「エコピープル(eco検定合格者)」を育成し、「持続可能な社会」づくりを目指すため、東京商工会議所が平成18年度からスタートさせた検定試験です。

 試験はこれまでに3回実施され、4万人近くの受験者が挑みました。その結果、2万7千人のエコピープルが誕生しました。

■何を学ぶのか

 eco検定では、地球温暖化や大気汚染など環境問題の実態から地球サミット、京都議定書など環境をめぐる世界の動き、グリーン購入、省エネ製品や環境ビジネス、ゴミのリサイクルなど環境と経済・社会、さらに環境と共生するための一人ひとりの暮らしと行動など、幅広いテーマから基礎知識を問う問題が出題されます。これらの内容は『公式テキスト』に分かりやすく説明されています。検定受験に関係なく、環境に関する知識全般を体系的に学ぶ際にも大変便利なテキストです。

 試験では、公式テキストに準拠(平成20年度試験は、改訂版テキストに準拠)、一部、最近の時事問題などについて環境白書などからも出題されます。

 なお、eco検定では級の設定はありません。

■取得の意義

 eco検定で得られる幅広い知識は、日常生活や地域社会における環境配慮への自発的な活動のほか、企業における社会的責任(CSR)対応や環境ビジネスへの展開などに活かされることが期待されます。例えばISO取得後の継続学習の一環として、社員の意識改革や自己啓発にも役立てられます。

 また、取得する社員が増えることで、企業のイメージアップにもつながります。

 学生の方にとっては、知識の幅を拡げ、国際的な視野でこれからの社会の姿を考えることができ、環境保全に取り組んでいる企業・団体等への就職活動でアピールする材料にもなります。

■こんな方が受験されています

 第1回試験の内訳を見ると、「製造業」や「サービス業」をはじめ、あらゆる業種で受験されていることとが分かります。また、これからの時代を担う人材である「大学・大学院」の受験者が多いことにも注目できます。

■エコピープル・エコユニット活動

 eco検定の合格者であるエコピープルの方々には、常に環境問題に関心を持ち、「持続可能な社会」づくりを目指すオピニオンリーダーとして、また、様々な分野でのトップランナーとしての活躍が期待されます。

 そこでエコピープルの活動を支援するサイト(http://www.eco-people.jp/)を設立し、活動発表の場や研修会、情報を提供し、仲間づくりや連携支援でエコピープルをバックアップしています。

 さらに、2名以上のエコピープルでつくる「エコユニット」の環境活動も支援しています。「エコユニット」とは、業種や事業内容、規模に関係なく、環境に関する基本的な幅広い知識を持って活動する人たちの集まりです。登録ユニットについては、ホームページで活動を紹介したり、エコユニットマークを名刺や会社案内などに使用することができます。

■eco検定を受けよう!

 eco検定は、平成20年度第4回試験より当所で実施、受験することができるようになりました。

 7月と12月に実施されますので、検定をきっかけに、環境について知ることから始めませんか。

■お問い合わせ先 当所産業振興部 TEL:076-423-1170
  ▼検定スケジュール
  ▼Eco検定 要綱


 

≪私たちができるeco活動に取組もう≫
◆「チーム富山市」がスタート
 京都議定書に基づき温室効果ガス排出量を6%削減する国民プロジェクト「チーム・マイナス6%」のチーム員である富山市では、平成20年度より新規事業「チーム富山市」を展開します。
 市民・団体・事業所・行政がチームを結成し、それぞれの役割に応じた温暖化対策を自主的に取り組もうというものです。
 「チーム富山市」にメンバー登録したチームは、宣言した目標や具体的な行動内容を推進し、マネージャーである運営事務局(市)は、これらの活動をイベントや事例発表、優良チーム表彰、情報提供などによりバックアップします。
 「チーム富山市」は、キャプテンである森雅志富山市長のキックオフ宣言によりスタートします(6月)。会社や地域、仲間同士などでメンバー登録することから、温暖化対策への取り組みの一歩を踏み出してみませんか。

■お問い合わせ先/富山市環境政策課 TEK:076-443-2053
◆中小企業もエコ認証を「エコアクション21」
 環境省が定める指針に基づき、環境対策に取り組む事業所を認証登録する、環境経営システム「エコアクション21」があります。環境マネジメントの国際規格ISO14001は取得や継続の事務作業やコストが大きく、中小企業には高いハードルとなっていますが、国内規格のエコアクションは認証費用もISOの5分の1と安く、取得しやすくなっています。
 県内では、地域事務局である(財)とやま環境財団が県内の認証事務を行うとともに、無料講習会を実施するなど、環境対策に意欲のある中小企業の取得支援に力を入れています。
 具体的には、二酸化炭素排出量と廃棄物排出量、総排水量の3項目の削減数値目標を立て、省エネ、廃棄物の削減、節水などの取り組みを実践するもので、ISOにはない「活動の公表義務」という特徴があります。
 同財団によると、取得した32社(平成20年2月1日現在)では、自発的な環境対策活動のツールとしてエコアクションに取り組まれています。活動を公表することにより、消費者や取引業者に対して、取り組みの透明性、信頼性の向上などに役立ちます。
 最近ではグリーン購入*を考える企業が増えるなど、環境対策への取り組みが問われるようになっています。中小企業にも取得しやすいエコアクションで、環境対策活動を始めませんか。

*グリーン購入…購入の必要性を十分に考慮し、品質や価格だけでなく環境の事を考え、環境負荷ができるだけ小さい製品やサービスを、環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入すること

■お問い合わせ先/財団法人とやま環境財団 URL  TEL:076-431-4607

ホームページ紹介
◇「チーム・マイナス6%」(環境省)
◇家(うち)の中から始めよう!「うちエコ」(環境省)
◇「2008北海道洞爺湖サミット」(洞爺湖町)


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