「商工とやま」平成20年5月号

特別機構
 「誰からも選ばれる魅力あるまちづくり」
 〜暮らしたいまち・訪れたいまちを目指して〜

平成20年度/富山市商工労働部関係施策
 本市では、北陸新幹線の開業を見据え、市民の皆さんにとって暮らしやすく、都市機能が充実した、そして国内外の人からも「住んでみたい」と思われるような、誰からも選ばれる魅力あるまちづくりを目指しております。

 特に、重要プロジェクトと位置付けている路面電車の環状線化事業は、本市の顔である中心市街地の回遊性を高め、新たな賑わいやサービスを生み出すなど、中心市街地の新しい価値の創造につながるものと期待しております。

 また、本市が誰からも選ばれる魅力ある都市として発展していくためには、今後も、コンパクトなまちづくりを進めながら、福祉や環境など市民の暮らしに関わる分野の一層の充実と、地域経済の活力源である産業の発展を支えていかなければなりません。

 平成20年度予算については、昨年度からスタートした総合計画に盛り込んだ各種事業を着実に進めることを基本に、限られた財源の重点的・効率的な配分に努めたところであります。

 本市では、この予算をもとに、県都として、また日本海側有数の中核都市として未来に向かって大きく発展し、市民一人ひとりが将来に希望が持てるよう取り組んでまいります。

■企業誘致の推進と新産業の育成

●本市の経済活力維持・発展には企業誘致が大変重要であり、特に最近の企業の積極的な設備投資意欲や進出動向から、呉羽南部企業団地の整備を促進するとともに、新たに大沢野西部企業団地の整備にも取り組み、既存の富山八尾中核工業団地を含め積極的に企業の誘致を図ってまいります。
 また、企業の設備投資等には引き続き助成して企業立地の促進と雇用の創出に努めるとともに、新たに制定された企業立地促進法に基づき、固定資産税の課税免除や緑地率の緩和を図り、企業誘致・産業集積を促進してまいります。

●起業家セミナーやバイオセミナーなどの各種啓発事業を展開するとともに、「とやまインキュベータ・オフィス」などの既存の創業者支援施設との連携を図り、大学等の高等教育機関や(財)富山県新世紀産業機構等の産業支援機関とも協力して、今後成長が期待される新産業の創造に努めてまいります。

●工業都市としての産業基盤をさらに発展させ、地域経済の活性化と雇用機会の確保を図るため、今後の工業振興施策の指針となる「工業振興ビジョン」を策定しておりますが、この中で、新たな企業団地についても検討してまいります。


■金融、経営指導による中小企業の支援・育成

●中小企業の振興には、金融、経営指導の両面にわたる対策が必要となっていることから、まず、金融面においては、中小企業者の事業経営の安定と資金調達の円滑化を図るため、十分な融資枠を確保し、資金需要に応えてまいります。
 また、借り換え制度「緊急経営基盤安定資金」は、昨年12月に実施した、原油価格等の上昇や建築着工の減少により事業経営に支障を生じている中小企業者に対する融資限度額拡充の緊急措置を含め取扱期間を1年間延長します。

●中小企業者の経営相談に対応するため、引き続き経営相談員を配置するとともに、「とやま企業経営未来塾」を開催し、経営能力の向上を図ってまいります。

●新たに、中小企業者が自然災害や大火災などの緊急事態に遭遇した場合に、被害を最小限にとどめ、早期復旧を可能とするための「事業継続計画(BCP)」策定セミナーを開催してまいります。


■商店街の振興による商業・サービス業の活性化

●商店街自らが行う、地域の特性に応じた魅力的な商店街づくりに対する取り組みを引き続き支援してまいります。また、県と連携し、まちの賑わい拠点の創出やがんばる商店街を支援してまいります。


■薬業の振興

●県内外の観光客に「富山のくすり」をPRし、販路拡大を図るため、おわら風の盆(9月)に併せて「富山のくすりフェア」を開催するほか、「くすりの語部」を育成して「薬都・富山」のイメージアップを図ってまいります。
 さらに、交流人口増加につながる「くすり」をテーマとした施設の基本構想を策定してまいります。


■地域ブランドの振興

●本市には、「くすり」や「ます寿し」などの確立された富山ブランドがありますが、これら地場産品の販路拡大と知名度の向上、新たなブランド化を推進するため、専用ホームページ開設への支援、中国北京での見本市や東京・中京圏での物産展への出展、岐阜市との物産工芸展や生産者等を対象とした講習会を開催してまいります。


■デザイン・工芸の振興

●デザインの振興については、「富山デザインフェア」の開催や、デザイン活動の拠点である「デザインサロン富山」を支援し、商業デザイン活動の活性化や市民普及を図ってまいります。
 また、民間企業の寄附を受けて設置したポスターギャラリーの増設や中心商店街においてポスター展を開催するなど、「ポスターの街・とやま」のPRと中心市街地の活性化に努めてまいります。

●工芸の振興については、木象嵌や越中和紙の技術伝承を支援し、後継者の育成や販路の拡大を図ってまいります。


■通年・滞在・周遊型観光の振興

●観光の振興では、「富山市観光実践プラン」の施策を推進します。東海北陸自動車道の全線開通(7月予定)にあわせ、中京圏でのPR活動の強化や岐阜市と相互の観光PRにより交流人口の拡大を図ってまいります。また、本市で開催される全国産業観光フォーラム(9月)を支援し、産業観光の気運を高めてまいります。

●外国人観光客誘致のため、飛越国際観光都市連合で韓国からの誘客を行うとともに、新たにソウル・江南地区のケーブルテレビで観光広告を放映します。さらに、本市に宿泊する外国人観光客へのライトレール無料乗車券の配付や、観光・宿泊施設への送迎費の一部助成により、滞在する外国人観光客の増加を図ってまいります。

●立山山麓の活性化では、トレッキングコースなどの整備を継続するほか、一帯の四季の魅力を高め、癒しや健康をテーマとした滞在型ヘルスツーリズムを推進します。

●コンベンションの振興では、主催者への支援を充実するほか、新たに観光タクシーの利用に対して助成します。さらに、観光ボランティア等を育成するとともに、市内企業の方々を「観光おもてなし人」として認定し、本市の魅力を発信していただきます。


■創業の支援と雇用の創出

●高度なものづくりやIT・デザイン関連の都市型産業の起業家、さらには医薬バイオ・ナノテク・IT・環境などの研究開発型ベンチャーを育成するため、「ハイテク・ミニ企業団地」や「とやまインキュベータ・オフィス」、「富山市新産業支援センター」などの入居企業や、都心地区において新たに事務所を開設するIT関連の創業者等を引き続き支援してまいります。また、ベンチャー企業の新商品出展にも助成してまいります。

●高齢者・障害者については、雇用奨励金の交付や高年齢者職業相談室での求人・求職情報の提供、養護学校等が行う「就業体験」の受入れ事業所の開拓、障害者雇用優良事業所表彰等を実施し、雇用の促進と安定に努めてまいります。また、就労に不安を抱える子どもやその保護者を対象に就労意識の醸成を促すセミナーを開催するほか、若者自立支援プログラムへの支援を行い、若者の社会参加の促進に努めてまいります。

●県内外の大学生等に市内の優良企業を知ってもらうための会社見学会等を実施するほか、従業員の雇用環境を整備するために事業所内保育施設を新たに設置・運営する事業主への支援を行い、市内企業への就業促進と人材確保に繋げてまいります。

●勤労者の福祉向上や生活安定を図るため、引き続きファミリー・サポート・センター事業を実施するとともに、勤労者小口資金融資制度の継続や富山市勤労者福祉サービスセンターの運営について支援をしてまいります。


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