新規店舗オープンに向けて相談
富山市婦中町添島地区に6月4日に新規オープンした「キオラ整体」。一人ひとりに合わせた「ほぐし療法」を基本に、筋膜・筋肉・骨格を整える丁寧な療法で人気を集めています。
経営にあたる水上忠則さんは、お店の新規オープンにあたって、昨年の6月に富山商工会議所に相談し始めました。まず、店舗づくりに必要な費用の見積りや資金繰り、事業計画などについて当所の経営指導員に相談。その後、中小企業支援ネットワーク強化事業を活用し、専門家のアドバイスを受けながら準備を進めることになりました。
このネットワーク強化事業のコーディネーターであり、経営コンサルタントの高田忠直さんと経営指導員との相談の場が月に1回から2回、継続的に設けられました。制度融資の内容や利用方法、各種申請、新店舗移転に伴う経費の計算方法、税務処理、さらに創業計画や事業計画書の作成、経営戦略、広告展開などについてもきめ細かな指導が行われました。
水上さんは今回の相談について次のように語ります。
「最初から専門家の方と一対一で相談するのではなく、指導員の方にも同席していただき、分からない用語なども丁寧に説明してもらえたのがとても良かったですね。
それに加えて、創業当初から商工会議所で記帳指導を受けており、不明な点を相談しながら自分で記帳しています。融資を受けるためには過去3年間の財務資料が必要でしたから、本当に役に立ちました。日頃からきちんと記帳して自らの経営状態について把握しておくことは今後の経営戦略を考える上でとても大切で、私の場合は、すべてこのためだったんだなということが実感として分かりましたね」
地域のあたらしい「場」をつくる
融資については、専門家や銀行、ハウスメーカーの担当者と相談したり、自ら積極的に調べたりしていくうちに、水上さんに合った制度が見つかりました。融資が可能になり、富山市婦中町の添島地区で義父所有の土地に、新店舗と住宅を新築することができました。
今後は、地域に根ざしたお店として、そして将来は、地域の様々な人達が集える場として利用できるようにしたいと意気込みを話す水上さん。
「私はこれまで、海外や日本各地でも様々な経験をしてきています。お客さまにリラックスしていただき、ほぐし療法によって体を整えていただくことはもちろんですが、それに加えて、自分達が経験してきたいろんな情報も提供していける場になればといいなと考えています」
完成したばかりの新店舗は、かつて沖縄で大工仕事の経験もある水上さんが、内装や外構工事の一部を自分で手掛けたとか。今後も自らの手で、心地よく、新しい風を吹かせる拠点づくりを目指していきたいと考えています。
海外での経験を生かして感謝のこころで
水上さんは北海道小樽出身。20代の頃はアジア各国などを旅して回り、オーストラリアやニュージーランドでは料理や農業、大工など、現地の人達と仕事をしてきました。
その後帰国したのが冬だったので、サーフィンを愛する水上さんは、日本の中でも特にサーフィンに適した波が発生する日本海側の富山へ。同じ頃、ニュージーランドで知り合い、現地でお菓子づくりの修行をしていた富山市出身の直子さんも帰国し、数年後に結婚しました。
結婚後、以前から希望していた体に関わる仕事をするため、金沢のカイロプラクティックの学校で勉強し、卒業後の平成20年に、個人事業として「キオラ整体」をスタートさせました。今回の新規オープンまでは店舗を持たずに、「ファボーレの湯」や市内のホテル、そして自宅などで約4年間、整体の仕事を続けてきました。「ファボーレの湯」ではその確かな腕とともに人柄の良さもあって人気となり、水上さんを指名するお客さまがとても多かったそうです。
また、妻の直子さんも「キオラマフィン」という店名で、ニュージーランドで学んだ菓子づくりのレシピなどを元にした、美味しいマフィンやクッキーなどを作り、主に護国神社などのフリーマーケットで販売してきました。
今季、同じ建物内に店舗を構えようと、現在準備中です。
「両方に共通する店名のキオラは、ニュージーランドのマオリ語で、『ありがとう』と、感謝を表す言葉であり、朝、晩のあいさつの言葉です。私たち夫婦がニュージーランドで知り合ったことや、仕事をやっていく上で、お客さまへの感謝が何より大切だと考えていることからつけた名前です。
整体は一人ひとりの方の体に触れる仕事で、お客さまに感謝されることもあるのですが、むしろ、私の方が、いつもお客さまに感謝しています。なぜなら、一人として同じ体はなく、いつもお客さまから学ばせていただいているからです。
妻の仕事も、一人ひとりのお客さまに感謝しながら、一つひとつお菓子を手渡しで売る仕事です。お客さまと直接触れ合うことが、私たちの仕事の大きな喜びなんですね。そう言う意味でも二人の仕事は共通していますし、すべてのことがキオラという言葉に集約される気がします」
直子さんが手掛けるお菓子は、自分たちで吟味した地元の材料を出来るだけ使い、材料や製法にこだわった、すべて手づくりの本格的な味。こちらも、たくさんのファンがいるそうで、早々に売り切れてしまうことが多いとか。
今秋には工房を移転させる予定で、今後は直子さんのお店についても、キオラ整体と同様に創業支援や相談が引き続き行われていくことになっています。
水上さんの整体の特徴とは
水上さんが学んだカイロプラクティックとは、整体を英語で言い表した言葉です。
「整体というと、どうしても骨や関節をポキポキするというイメージがあるかもしれませんが、基本は体を整えるということ。私は、もみほぐし療法として、痛みのサインを見つけて、一人ひとりにあわせながらソフトに丁寧にアプローチしていく方法をとっています。
肩こりや首回りなど痛みの症状は、日頃の姿勢の癖や運動不足などが関係していますから、整体で楽になったとしても、また、すぐに元に戻ってしまいます。つまり、施術のあとはご本人次第のところがあるんです。
本当は道具も何も使わず、体の左右や土踏まずをバランスよく使って、歩くことが一番です。それに、土踏まずのアーチを保持することもとても大事で、バランスが崩れると骨格のゆがみにもつながっていきます。ですから、靴のインソールも大事なんですよ。
ウォーキングやヨガなどの運動で骨格のゆがみは直ることが多いとお話しするのですが、忙しい現代の生活ではそれもなかなか難しいですよね。ですから、整体に来られた方には、日常生活のなかで、ご自分でも気をつければ症状が和らぐ方法など、アドバイスをするように心がけています。私たちの仕事は、あくまで人の治癒力を上げるためのお手伝いなんですよ」
暮らしが便利になった一方で、私たちは体を動かさなくなり、骨格を支える筋肉を使わなくなりました。そのため、「現代人の多くには一定の疲れや痛みが染みついている」と水上さんは話しています。
その痛みや体調を改善することができれば、思考も行動も変わっていきます。頻繁に整体に通わなくても、いつかは自分で体を整えることができるようになればベストだと、水上さんは考えているそうです。
富山のエネルギーをチャージしながら、お返しして
サーフィンが大好きな水上さんは、毎朝、天気予報をパソコンでチェックしては、早朝に岩瀬浜や滑川の海に出かけることも多いと言います。
「富山の自然は本当にすばらしいですね。海外でもいろいろな風景を見てきましたが、富山の海から眺める立山連峰は格別です。時には蜃気楼が見えることもあって本当にすごい光景です。
海に出かけるたびに、富山湾のエネルギー、つまり地場のエネルギーをたっぷりもらい、それを整体の仕事を通してお客さまにお返ししているんだと、私はいつも思っています。元気なお客さまでしたら、一緒にサーフィンをやりましょうとお話しすることもあるんですよ(笑)。肩甲骨を動かすパドリングは肩こりに効きますし、そういう意味では水泳も同じく効果的です」
サーフィンをすると、時には波に叩きつけられ、人間は大自然の中では本当にちっぽけな存在だと感じるのだと言う水上さん。
「それでも、最後には、いつも波に感謝して終わります。富山の大自然の中でエネルギーをチャージして、それを多くの方にお返ししながら、これからも、自分自身いろんなチャレンジをしていきたいと考えています」
キオラ整体は水上さんの優しくユニークな個性が存分に生かされた整体のお店です。日頃の疲れがたまっている方は、ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。
当所では、さまざまな専門家の中からその方の業種や個性に合った専門家をご紹介しています。また、これから創業を考える方についても、記帳をはじめ、創業支援など、さまざまなご相談に応じていますので、ぜひ、お気軽にご相談下さい。
キオラ整体
富山市婦中町蔵島2198-3
TEL・FAX:076-411-6711 携帯:090-2839-8909
完全予約制(お電話でご予約下さい)
営業時間:10:00〜12:00、14:00〜21:00
定休日:木曜日