会報「商工とやま」平成26年1月号

年頭所感

ビジョンの実現へ積極的に実践する

  富山商工会議所   会 頭 木 繁雄


 平成26年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、会員の皆様のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。

 昨年11月に犬島前会頭のあとを受け、第21代会頭に就任し2ヵ月になりますが、改めてその責務の重大さを痛感しております。

 さて、わが国の経済情勢は、過度な円高の修正などにより輸出関連企業を中心に持ち直しており、個人消費についても順調に推移してきたところであります。さらに、2020年夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が決定し、将来に明るい希望が芽生えているほか、アベノミクスの政策効果もあり、マインド面の好転から少しずつ実態面の改善へと移行しつつあるように思えます。

 富山においては一部の業種で比較的堅調に推移しているものの、その他の中小企業では景気の先行きに対する不透明感が拭えず、厳しい経営環境が続いております。

 このような状況を踏まえて、富山商工会議所は地域の総合経済団体としての使命である「地域商工業の発展と社会福祉の増進」の原点に立ち返り、会員の皆様一人ひとりのお話を伺いながら、様々な課題に対して具体的な解決策を検討していきたいと考えております。

 城の大きな石垣は中小の様々な石が組み合わさることによって強固にできているように、日本の強さは大企業だけではなく、中小企業の1社1社がしっかりしていることで成り立っています。当所は、地域の中小企業支援を第一に位置付け、行政機関や各関係団体と連携を深めながら、経営革新の推進や雇用の創出・拡大などに努めていくほか、本年4月からの消費税率8%への引上げなど、地域の中小企業の皆様が直面する経営の諸課題に対しては、当所経営指導員と中小企業診断士などの専門家とのチーム編成により、経営、金融、税務、労務、法律などの相談支援体制を強化すると共に、小規模企業等への巡回訪問を徹底し、よりきめ細やかな経営相談を行ってまいります。

 また、富山県の「県内企業人材育成モデル推進事業」を継続して受託し、新規学卒未内定者などを正規雇用につなげる事業に引き続き取り組むほか、講習会や研修講座の充実を図るとともに、商工会議所の各種検定試験の普及促進により一層努め、会員企業をはじめとする県内中小企業の人材確保や育成を積極的に支援してまいりたいと考えております。

 いよいよ来年の春には北陸新幹線が開業することとなりますが、富山−東京間は約2時間で結ばれることにより、交流人口の大幅な増加が期待され、沿線地域全体へ大きな変化をもたらすことが考えられます。

 地域活性化については、富山県、富山市などが推進して全国にも先行する施策「元気とやま」や「環境未来都市」など、新幹線開業に向けて様々な取り組みがされており、当所としても新幹線開業後も含めて、都市間競争に打ち勝っていくための事業に取り組んでまいります。

 会員交流・ビジネスマッチング事業では、北陸三県全ての商工会議所、商工会の会員が参加できる事前予約型商談会「とやまビジネスドラフト」に、上越、長野商工会議所へ特別参加を呼びかけて今年3月に富山市で開催いたします。

 また、県内はもとより、北陸新幹線沿線の商工会議所や飛騨、高山地域とも連携を強化し、会員企業のビジネスチャンス拡大や広域な産業観光の充実を図ってまいります。

 当所は、元気で活力ある富山の創造に向けて、富山県、富山市をはじめ行政当局、関係団体とも連携を一層深めながら、ビジョンの実現へ積極的に実践していきたいと考えておりますので、今後とも一層のご支援ご協力をお願い申し上げます。

 最後になりますが、新しい年が会員の皆様ならびに関係各位にとりまして希望に満ちた飛躍の年となりますことをお祈り申し上げまして、私の年頭の挨拶といたします。

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