会報「商工とやま」平成29年1月号
年頭所感
商工会議所の原点に立ち返って、事業の実効性を高める
富山商工会議所 会頭 木 繁 雄
平成29年の新春を迎えるにあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げますとともに、会員の皆様のご健勝とご多幸を心から祈念申し上げます。
昨年の我が国経済は、緩やかな回復局面にあり、雇用情勢も堅調に推移しました。また、トランプ効果とも言うべき円安・株高で企業マインドは好転しつつありますが、個人消費基調の弱含みや、米国新政権の動向を見極める必要もあるなど、予断を許さない状況にあります。
こうしたなか、当所は昨年6月に会員大会を開催し、「地域活性化への貢献」「地域経済を担う中小企業に寄り添った経営支援の強化」「地域資源を生かした産業基盤の強化」「社会基盤の整備促進」の4項目を柱とする大会決議を全会一致で採択し、会員相互の結束を確認しました。
また同月、日本商工会議所移動常議員会・議員総会が三村会頭はじめ全国144商工会議所の正副会頭・専務理事が参加し、初めて富山市で開催され、富山の魅力を全国にアピールする絶好の機会となりました。
さらに、11月、当所は議員定数を140名に拡大し、新体制を発足させるとともに、私も会頭として2期目のスタートを切りました。これを機に、商工会議所設立の原点に立ち返って、一つひとつの施策の役割や目的を再確認しながら、事業の実効性を高めていきたいと考えております。
さて、2年前に開業した北陸新幹線は、安定した利用状況を見せており、交流人口を増大させるなど、非常に大きな経済効果をもたらしております。
今年は、この新幹線による経済効果をさらに持続・発展させるため、沿線各地域だけでなく「北陸・関西連携会議」などを通じて、関西地区ともさらなる連携を深め、大阪までの早期全線整備の実現と北陸を軸とした観光振興・販路拡大などの取り組みを促進してまいります。
「富山産業観光図鑑」は平成26年度から当所が中心となり県内のすべての商工会議所と連携し、スマートフォンのAR機能をいち早く取り入れるなどして制作してまいりました。観光振興のツールとして活用しているほか、UIJターン説明会や富山大学の産業観光学のテキストとして利用されるようになりました。今後、産業観光をさらに発展させていきたいと考えております。
会員交流・ビジネスマッチング事業では、事前予約型の商談会である「とやまビジネスドラフト」の対象エリアを北陸3県から順次拡大してまいりましたが、今年は昨年の関西地区に加えて新潟県長岡・柏崎などにも拡大し、さらに大きな商談会として発展させてまいります。
当所は、一昨年に経済産業大臣の認可を受けた「経営発達支援計画」に基づき、経営改善普及事業の一環として、「新商品合同プレス発表会」や「共同広告」などを実施し、小規模事業者の販路拡大を支援したほか、経営計画の策定、事業承継など、伴走型の経営支援を推進しました。今年はさらにスタートアップ企業の支援や巡回訪問、窓口相談を強化し、経営支援ニーズを的確に把握し、きめ細やかな経営支援に努め、活力ある地域社会の創造に向けて、支援体制の一層の強化を図ります。
さらに、総合経済団体としての使命を果たすべく、会員各位や富山県・富山市などの関係機関・団体と連携を深め、地方創生の一翼を担い、緊張感をもって地域経済の活性化に取り組んでまいりたいと思います。
最後になりますが、新しい年が会員の皆様並びに関係各位にとりまして希望に満ちた輝かしい年となりますことを祈念申し上げまして私の年頭のあいさつといたします。