令和 6 年度事業計画
昨年5月、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類分類へと移行し、経済活動が本格的に再開されてきました。人や物の動きが戻り、コロナ禍で大きな打撃を受けた宿泊業や飲食業もコロナ前の水準に近づくなど、消費者マインドも上向いてきました。中小企業の業況判断DIが全産業で約30年ぶり、賃金上昇率も約30年ぶりの高水準を記録するなど、明るい兆しが見られました。一方でコロナウイルス感染症の影響は、私たちの経済や働き方、そして生活様式に大きな変化をもたらしました。
また、世界をみると、各地で多発する異常気象、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に加え、中国台湾間の緊張、イスラエルとパレスチナ武装勢力間の衝突も深刻化する等、地政学的リスクが増大しており世界経済の先行きへの不透明感も増しています。原油や原材料価格の高騰、加えて1ドル150円前後の円安もあり、ようやく回復基調となってきた我が国経済ですが、エネルギー価格高騰、物価高、構造的な人手不足等、企業を取り巻く環境は依然として厳しい状況に置かれています。
そして、本年年明け早々には能登半島地震が発生しました。お亡くなりになられた方にはお悔み申し上げ、被災された方には心よりお見舞い申し上げます。砺波地域は比較的被害は少なかったとはいうものの、一日も早い再興を願い復興にも取り組んでいかなければなりません。このような先行きが見通せず変化の激しい時代だからこそ、企業経営者が自らの努力と気概、知恵と工夫を発揮し、この難局に対処していくことが重要です。とりわけ意思決定の速さや変化への柔軟な対応に優れている中小企業だからこそ、変革と挑戦の場を広げていけるものと思います。
砺波商工会議所は、令和6年度創立70周年を迎えます。先人達のご労苦に感謝しながら新しい時代を切り拓き、次の世代へとつないでいくために「商工業の次世代活性化を推進し となみの未来を創造しよう」のスローガンを常に念頭において事業活動を展開していくことが大切だと考えております。常日頃からの行動指針としての「商工会議所会員に寄り添い・声を聞き・適切なアドバイスを心がけ、会員事業所の持続的発展を支援する」伴走型支援に役職員一同が力を合わせ取り組んでまいります。砺波商工会議所が事業者にとって「駆け込み寺・仕事に関することすべての何でも相談所」であるような存在となることで、地域経済を支える事業所を応援し砺波市経済発展の為に尽力する所存です。
そして、70周年事業の一環として、これまで継続してきた「となみ産業フェア・パワー博」を開催いたします。今回は「企業の人材確保への支援」をテーマとして会員事業所のPR・発信に注力し、恒常的な人手不足の解消に向けて支援したいと考えています。さらにはBCP計画の推進やデジタル化の推進など企業の経営基盤強化を後押ししていきます。また、砺波ブランドフェアや地域資源のPRなど砺波としての発信を強化、加えて防災、環境問題などにも取り組むべく、委員会活動や部会活動を含め各種事業を展開してまいりますので、皆様方のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。